カント 視霊者の夢(講談社学術文庫)書評

https://booklog.kinokuniya.co.jp/kato/archives/2013/09/post_363.html

 

カントで、読むべき本は、実はこの一冊だけかなとも言えるね。

 

占い師スウェーデンボルグを徹底的にこきおろし、事実関係を丹念に調査して、ウソを暴くという無駄な労力を大真面目に緻密にやっていて、なんか、そんなのお話しだろ、っていうのを「ファクトチェック」するあたり、陰湿で感じ悪いと思う。

 

純粋に本としては面白い。

 

要点、スピリチュアルは何の根拠にもならないとだけ言っているのだが、それはそのとおりなのだが、陰湿で強迫神経症的な追い詰め方がドイツ人の粘着性を示していて、本人に問い合わせまでするという失礼なことまでやっている。

 

粘着質ですねえ。ま、ウクライナ戦争を機に、ところどころ読んだクラウセビッツの「戦争論」を読み返そうとしたら、あの刑法の抽象化みたいなことが延々と続いていて、やめました。粘着質なんですよ、ベルリンは。